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木を植えた男の映画初心者のレビュー・感想・評価

木を植えた男(1987年製作の映画)
4.6
これぞ名作。アニメの持つ力強さをこれでもかと感じられる。アート作品ですが、誰しもが楽しめる、心に残る一本だと思います。

ある羊飼いが荒地に木を植え続ける。世界は激動し、W.W.1、W.W.2を経ながらも彼は木を植え続け管理し、やがて荒地は緑豊かな土地となる。

お話の軸としてはとてもシンプル。しかし、とても哲学的。丹念に途方もない時間を使いながらも植え続ける男性。その男性は、ほとんど天国を作っているような印象を受けました。そして、その男性とこのアニメを作ったフレデリックバックと重なります。お話としてシンプルながらも1人のナレーションによって進行し、するすると見ることができる。

お話としても良いですが、その映像面、アート面はほぼ狂気。鉛筆をねかせたようなタッチで全編描かれる。そして、時には映像はカラフルになり、延々と動いている。アート映画は偏見としてトリッキーなことをしたいだけと思われてしまいますが、この作品ド直球ストレートな表現ばかり。一言、狂ってます。そして、モネといった印象派のような美しい色彩のラストに心が清くなります。

【総評】
これは流石に名作。間違いなく強い作品。お話として深みがあり良いです。天国を作った男性として捉えることができます。男性と制作者が重なり、より一層深みを感じる。映像面は狂ったほど素晴らしい、美しいタッチと色彩で最高の一言。
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