ヒラリー

木を植えた男のヒラリーのレビュー・感想・評価

木を植えた男(1987年製作の映画)
4.0
シンプルな手書きアニメーション
だが奥行きや人間の感情、森の表現力が素晴らしい。
荒野に男一人、人が寄り付かないような土地
飲み水も尽きたところ、遠目に一人の羊飼い
彼は飲み水を分け、寝床も提供してくれる。
寡黙だがとても親切で一人荒野に樫の木を植えている。
木を植え始めたきっかけは娘や妻を亡くし、やる事がなくなったからだと語る。
どんぐりを選定し、埋める。
主人公は若く、定期的に羊飼いに会いに行ったが戦争等で会いに行く頻度も減る。
戦争の弊害で一部の木は切り倒されてしまった。彼も亡くなってしまったかもしれない。
それでもその地に赴いて、彼の生存を確認し、彼の続けてきた賜物を見る。
長い年月の中で彼の為人を知り、彼の作り上げた森は次の世代、その次の世代へと引き継がれていく。
寡黙な男が一人で成し遂げた功績。
それは皆が知らない事だがひけらかす必要もない。
時の流れを感じながら、優しい気持ちになりました。
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