ブラックユーモアホフマン

愛の昼下がりのブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

愛の昼下がり(1972年製作の映画)
4.1
寂しい映画だった。

「六つの教訓話」最後の話だからこんなにローテンションなんだろうな。締めの一本。ちゃんと家庭がある男をロメールの映画で初めて見た気がする。

結婚して子供も二人目が生まれそう。はたから見れば幸せそうな男。事実、不満があるわけではない。しかし。なんか寂しい。

午後ってなんか気分が落ち込むんだよな。分かる気がする。彼の愛の時間も昼下がりを迎え、ワケもなく落ち込んでいる。

なんとなく『緑の光線』のヒロインと同じものを感じた。ちょっと鬱な感じ。

そして実は妻も、言葉は交わさずとも同じ気持ちになっていたことを知るラスト。二人の愛は昼下がりを超え、夜に向かっていくのだろう。

【一番好きなシーン】
・新しいシャツのチクチクも、着てるうちにすぐ慣れてしまう。そんな関係に危うさを感じた男。鏡に映るタートルネックを脱ぎかけた自分の姿を見て、家に帰らなきゃ!と部屋を出る。
・プロローグも面白かった。