Chico

愛の昼下がりのChicoのレビュー・感想・評価

愛の昼下がり(1972年製作の映画)
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こと恋愛においてその振る舞いを皮肉を込めて描き、愚かさをさらりと浮き彫りにしてきた教訓シリーズ。最終話とされる本作はロメールお得意の、二人の女性との間で揺れる男性、の構図で描かれた寓話的要素が際立った恋愛ドラマ。

主人公フレデリックは第2子妊娠中の妻を愛しているにも関わらず、なぜか日々の生活に虚しさを覚え、町ゆく女性たちを眺めながら彼女たちとの情事を妄想していた。そんなとき友達の元恋人クロエと偶然再会し、その妄想が現実になろうとするが…

昼過ぎになぜか不安になる、という主人公。それを埋めるように現われたクロエ。彼女を選ぶのか、やはり子供もいる家庭を選ぶのか。どちらが幸せで満足するのか。
果たして主人公の空虚な心は満たされるのか。
主人公の妄想シーンに過去作から6人のヒロインがカメオ出演するなど、遊び心のある演出を盛り込みながら現代人の心の孤独が描かれる。

モンソーのパン屋の女の子から始まった六話からなる教訓シリーズ。本作、愛の昼下がりで〆となりました。

余談: 2月は28本鑑賞(忙しくなるはずが予定変更)貴重な一か月となりました。
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