konoesakuta

オーケストラ!のkonoesakutaのレビュー・感想・評価

オーケストラ!(2009年製作の映画)
3.2
 くそ!不意に泣かされた。ラスト15分にやられた。

 映画としては決しておすすめできるものだとは感じなかった。テーマが分かりにくい。旧ソ連のお国事情なのか、ユダヤ人弾圧なのか、マエストロの主人公の人生奪還なのか、はたまた訳あって呼ばれたバイオリンソリストの出生の秘密なのか、オーケストラとはなんなのか…。コメディと呼ぶには笑えない部分も多く、特に邦題がちょっと。ごく少数の本気の人間がいる中、オーケストラ団員のプライドの無さが延々続く内容でこの邦題は…。もともとの「コンサート」って題名の方がよっぽどよかったのでは。30年の月日を経て一度もリハもしないで、演奏できるわけないだろ。なによりもマエストロのカリスマ性の無さ。というか病んでる。そんな人間にこの集団を本気でまとめ上げる力があるのだろうか。

 そのマエストロ、アレクセイグシュコブはいい。強くものが言えないが、チャイコフスキーへの愛情を語る場面がいい。メラニーロランとのステージ上での2ショットがいい。ラストシーンが120点なのがいい。