徳井豚

レバノンの徳井豚のネタバレレビュー・内容・結末

レバノン(2009年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

戦車の中の4人の新兵。撃つのが怖い砲撃手、自己中心的な指揮官、文句ばかりの装填手、早く帰りたい操縦士。安全だとばかり思っていた戦場は乱れ、凄惨な光景に心を病んでいく兵士たち。
砲撃手が兵士としての、よくも悪くも成長している姿が少し垣間見えたのがよかった。
しかし、自分が平和ボケしているせいなのか、登場人物が戦争に対して何ら積極的な意志をもっておらず、戦場においても戦車という非常に重要な役回りであるにも関わらず、うまく動けていないさまはもどかしく思えた。
作品を見ていくと、登場人物は生きるか死ぬかの極限状態に突入していき、彼らがそれとどう向き合っていくのかと期待したのだが、とくにこれといった変化はなく。ただ戦況に流されているだけのようにも思える。尻すぼみなラストで物足りなく思えた。
戦場における、現場のリアルと感覚的なリアルだけを切り取っているかのようだった。
徳井豚

徳井豚