スコセッシ監督初期の作品。監督いわく「これは映画ではない 自分の中から生まれた作品」だそう。ウダウダしててすごい面白いってわけでもないけど、若気の至りの勢いを感じてけっこう好き。
スコセッシが青春時代まで過ごしたNYのリトル・イタリーを舞台にした半自伝的な作品。
聖職者になりたかったスコセッシなので、罪の意識や信仰心なども入れながらチンピラたちの生き様をイキイキと描いています。ハーヴェイ・カイテルが監督の分身かな。
スコセッシとデニーロ、初のタッグ。デニーロはここから開花したと言っても過言ではないでしょう。若いデニーロが楽しそうに演技しているのが印象的で、ハーヴェイをも食ってる感じ。アドリブもけっこうあったそう。
何をするかわからないイカれた演技は、3年後の『タクシードライバー』や17年後の『グッドフェローズ』にもつながっていく。
最初は2人が一緒にいると、何げないやりとりでも一触即発になるのかと緊張したけど、ハーヴェイはマフィアに借りたお金を返さないデニーロを心配して見守るいい兄貴分です。2人はこの先、マフィアにはならない道を選ぶと思わせるラストのみっともなさが良かった。
昔の映画をちょこちょこ挟んだり、ストーンズなどスコセッシの好きなロックも流れ、監督が楽しんで製作しているのが伝わる。『グッドフェローズ』もそうだったけど音楽にワクワクです。
特典映像には、まだ若いロン毛気味のスコセッシが幼なじみと一緒にリトル・イタリーのストリートを歩いたり、思い出の場所を訪れる短いドキュメンタリーが入っててお母さんも登場してます。