爆裂BOX

コモドの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

コモド(1999年製作の映画)
3.3
エメラルド島で大量の血痕を残し休暇中の夫婦が失踪。一人助かった少年パトリックは強い精神的ショックで心を閉ざす。1年後、精神科医ビクトリアは最善の治療は恐怖心に立ち向かう事だと考え、パトリックらとともに再び島に向うが…というストーリー。
「ジュラシックパーク」等に参加したSFXアーティストのマイケル・ランティエリの初監督作品であるモンスター・ホラーです。公開当時は「コモド・サウンド」とか「ゾンビング・サウンド」思わせる変な宣伝文句使ってそれなりに売り出してた記憶があります。
休暇中に訪れた島でコモドに両親と飼い犬を襲われてトラウマ抱えた少年が、「再び島で恐怖真の原因と対峙することで克服できる!」というスパルタな治療方法の為、「心に傷を負ったパトリックには愛情と精神の休養が必要」ともっともな事を云う唯一の身内の叔母さんと共に島を訪れるも案の定コモドの大群に襲われることになるという内容です。
コモドはCGとアニマトロニクスを使って表現されてますが、フィル・ティペットのスタジオがCG手掛けただけあってそのクオリティは上質ですね。最初は出し惜しみして中々姿現しませんが、いきなり家の中にドーン!と現れて家具破壊しながら迫ってくる姿は迫力ありました。数体で追い掛けてくる所もコモドの重量と質感感じさせて良いです。ただ、襲撃シーンは基本一体で襲ってくるので、群れに囲まれて絶体絶命!や襲い来る群れと戦ったり逃げ回るような描写も欲しかったですね。登場人物が少ないので、犠牲になる人が少なくて、そのシーンもアッサリしてるのは残念。ゴア描写もないですね。叔母さんが身体くわえられて床下に引きずり込まれる所は悪くなかったけど。
島で採掘作業していて、作業がストップするのを恐れてコモドの存在を隠してる石油会社からコモド退治に派遣された生物学者オーツと組んで島からの脱出を目指す展開に後半なりますが、トラウマ抱えてたパトリックがいきなり覚醒してランボーみたいになるのは大味だけど妙に面白い。主人公の精神科医も石でコモド殴り殺すファイターになったりします。
主演のジル・ヘネシーは小顔な美人で、後半は黒タンクトップで戦います。オーツ役はよく海外ドラマで悪役やってるビリー・パークが演じてますね。パトリック役はまだ子役だった頃のケヴィン・ゼガーズが演じてます。
クライマックスは盛り上がりもなく消化不良な感じでした。悪い社長連中が来たのにヘリ奪って置き去りにするだけで食われるシーンとかないとは。最後一体倒すだけでまだ島にはコモドうようよいるから解決にはなってないなぁ。まあ、脱出できたからそれでよし!という感じなんでしょうねラストとか。
ジャケのバーニングコモドは最後の最後に出てきますが、こんな派手ではないし一瞬です。
パトリックの事心配してついてきて食われる叔母さんと渡し船の船長が一番可哀想だったな。
全体的に地味で大味な話ですが、モンスター・パニックとしては適度にハラハラできて楽しめる作品だと思います。「コモド・リターンズ」と「コモドVSキングコブラ」は今作とは関係ない作品なので注意。