bluetokyo

錆びた鎖のbluetokyoのレビュー・感想・評価

錆びた鎖(1960年製作の映画)
3.1
この手の映画が無駄なストーリーでつまらなくなっていたのは、ひょっとして、宍戸錠さんが出演するとW主演みたいになって、無理な設定をしてしまっていたのかも、と思ってしまう。この作品は、赤木圭一郎が一人主演なのでストーリーはすっきりしていて意外に面白い。
西村晃さんの演じる沖仲仕のぐちりの平太がやたろ目立っているのも面白い。

簡単にあらすじ。
横浜の荷揚げを扱う企業、長岡社の社長、長岡康三郎には、長男の健一と次男の英二という二人の息子がいた。そろそろ、会社を健一に継がせるかな、という感じである。英二は、まだ、大学生である。

社長の指示で健一は、ある場所へ2000万円の手形を持って出かけた。たぶん、長岡社が振出人となっている手形なのだろう。
健一は、頭を殴られて、この手形を奪われてしまう。
この場合、この手形を入手した者に対する手形金、つまり2000万円の支払いを拒否できなくなる。
さっさと警察に盗難届を出せよ、という気もするが。

家に盗まれた手形について電話が掛かってきた。指定した場所に社長自ら出向くと、心臓麻痺かなんかで急死した(殺された)。
健一が社長を継ぐ。
悪徳金融業者、あるいは、乗っ取り屋の水原という男が現れて、手形を持っている、だから、専務にしろ、と脅しをかけてきた。仕方なく専務にする。

沖仲仕を過酷にするような、無理な作業をするようになる。利益第一主義だ。利益が上がるのならいいではないかと思うが、そうではなく、ある程度まで利益を上げたら、どっかの企業に売り渡してしまうのだ。

ただ、この2000万円の手形というのは、健一しか知らない。健一が奪われたということがバレてしまうので、プライドの高い健一は、秘密裏に、2000万円を作ろうとするわけだ。

健一は、秘書の沢村加奈子と付き合っていたにもかかわらず、急に冬木美枝と結婚すると出だした。冬木家からカネを用立てようと思ったのだ。ただ、英二と美枝は仲がよかったので、健一と英二は喧嘩をする。そのとき、健一は、お前の母親は別にいるんだぜ、と言ってしまう。

英二は、ショックを受けるが、本当の母親に会いに行く。その母親は、キャバレーを経営している井上正緒であった。

そのころには、英二にも、2000万円手形事件は知るところとなっていたので、井上正緒に2000万円を貸してくれと言ってみる。

反省した健一も、井上正緒に会いにいって、2000万円を用立ててくれと頼む。このときは兄弟が来たということで2000万円を用意してやる。

ところが、車に乗るとき、2000万円ごと連れ去られてしまった。健一、弱過ぎ。

英二は、事件のあらましがわかったので、水原専務を、危険な液体プロパンの荷揚げ作業現場に連れて行き、散々脅かす。水原は、すべて白状した。
急いで、健一兄貴が拉致された倉庫に向かう。そこには、松井組がいた。

英二+沖仲仕が雪崩れ込んで、全員を倒す。目出度しである。

途中から、エデンの東のパクリに突入して、なんだろうなあ、と思ってしまうが、沖仲仕のぐちりの平太(西村晃さん)が面白いので、まあ、いいかなあ、という感じである。
bluetokyo

bluetokyo