おーつ

アーティストのおーつのレビュー・感想・評価

アーティスト(2011年製作の映画)
4.7
声が収録されているトーキー映画が主流となっている2010年代に作られたモノクロ、サイレント映画。ネタバレは極力避けたいがこの映画ほど「音」を効果的に使った映画は少ないと思います。正直、観る前はサイレント映画好きのフランス人監督がオマージュだらけの映画を作った程度だと思っていて、しかもあまりサイレント映画を観ない自分には元ネタもわかりそうにないので楽しむことができるか不安でした。私以外にも同じ不安を抱えていた同世代の方々いますよね?
さすがにサイレント映画となると今じゃ主流から外れているためどうしても敷居の高さを感じてしまいます。
観てみたら20〜50年代映画好きに対す映画というより、全ての映画好きに対する素晴らしい映画でした。

「昔の映画って面白いでしょ?」だけで終わらなかったのが見所。
トーキーになり、カラーになり、いまや3Dならぬ4Dへと進化していく、そう「映画というのは変革を繰り返していく」その良さを描いているところが興味深かったです。

しかもこれが映画発祥の地フランスで作られた映画なんです。
それを今じゃ主流となっているアメリカのアカデミー賞で、他のアメリカ映画を差し置いて作品賞を受賞したということがなんとも粋な話じゃないですか。

最後に、この映画一番の名優は間違いなく犬です。
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