とむとむ

ビバリーヒルズ・コップのとむとむのレビュー・感想・評価

ビバリーヒルズ・コップ(1984年製作の映画)
4.0
あらすじ
デトロイトの優秀だが奔放なアクセルの元に少年時代の悪友が訪ねてくる。刑務所から出たばかりなのに妙に羽振りのよい友人。ビバリーヒルズの画商に雇われていたと言っているが、なにやら不穏な雰囲気。しかし、久しぶりの再会のため目をつぶる。だが飲んだくれ帰宅すると待ち伏せていた二人に友人は殺されてします。復讐のためアクセルが暴走することを恐れた上司は休暇を与える。アクセルは休暇を利用して捜査をするために、産業の都市デトロイトを離れ別世界の高級住宅街ビバリーヒルズにやってくる。

冒頭から続く軽快な展開やエディーマーフィーのコミカルな語り口、印象的な音楽とB級お気軽映画ながら素晴らしい構成。登場人物にも無駄がなくかつ特徴がある。文句なく良作。洋画は原語で観る派だが、吹き替えもオッケーな作品。

公開は1984年。もう30年以上も前なのか。
主人公が黒人なこともあって黒人と白人は割と平等に描かれているが、いわゆる管理職級は皆白人。高級レストランやホテルに入るにもやはり障害がありそうだなと思う。映画ではそこはコミカルなトークで乗り越える。
ただ、全体として悪役まで含めて本当に差別的な人は登場しない。また、無理に地位を押し上げようという気配もないので印象は自然で気が散らない。相棒の二人とは戦友になるし、白人の警部補と最後のとどめの発砲シーンで心が一つになるところではぐっとくる。
最近の映画はポリティカルコレクトが行きすぎて気持ち悪いのが多いが、こういう自然な映画を作れなくなったのが寂しい気がする。
美女と野獣にいたっては貴族に黒人がいる始末。まあおとぎ話だからいいけど。
いたづらに差別を助長しなければもう少しおおらかに映画を作れる雰囲気も大事だなと思う。
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