またもや希林さんにやられた。「海よりもまだ深く」を観た後と同じような感覚。不謹慎だけどこの人をなくしてしまったら日本映画はどうなるのかとゾッとした。
自分にも腰の曲がった母親がいるので、今生きている間にできることはないかと自問してしまう。
認知症を患いいろいろな事を忘れていくのだが息子への愛は忘れずにずっと残っている。ボロボロになった紙を愛おしそうに撫でながらそこに書かれた息子の詩を語る希林さんの演技に涙が止まらなかった。親子でもいくらかのわだかまりがあったりするのだが避けようのない死が訪れた時にそれがすべて精算されて、すべて洗い流されるのだろうか…。
昭和良き時代の服をまとったミムラさんが美しい。
「いろいろあっても、ゴールはひとつ。」
