似太郎

ヨーク軍曹の似太郎のレビュー・感想・評価

ヨーク軍曹(1941年製作の映画)
4.3
あの娯楽の大家ハワード・ホークスですら(というか、だけに?)本作のような単細胞な戦争映画を作っていた事実は今から考えると「ウ〜ン」と首を傾げてしまう。ストーリー的に超ご都合主義でキリスト教布教色が強めの作品。

主演ゲイリー・クーパーのそのIQの低い演技を見ていると、尚更やり切れなくなる。はっきり言って理想的なヒーローとは程遠い人物である。
せいぜいアメリカ中西部のど田舎に住むヤンキー。そんな彼が後半で一転、敬虔な牧師に転向。アホくさ…。🤷‍♂️

映画的な見所はやはり後半部のリアリティのある戦場シークエンスなのだが、如何にもバンバン銃を撃ちまくるという派手さというよりはあくで淡々とした演出で、安っぽく感じさせない辺りはさすがホークス監督。どこか冷めた雰囲気はキャスリン・ビグローの『ハート・ロッカー』にも通じる。

最後はやっぱりそれかよ!みたいな取ってつけたようなオチなので白けるのも確かなのだが、いわゆる当時の戦意高揚映画、或いは戦争ヒロイズムものとしての資料的価値は高い作品だと思う。この手のヒューマン・ドラマとしてはそこそこ及第点の出来栄えだ。

主演ゲイリー・クーパーのバカ丸出しな演技を笑って楽しめる余裕がある人になら、是非オススメ。✌️
似太郎

似太郎