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危険な関係のkojikojiのレビュー・感想・評価

危険な関係(1988年製作の映画)
3.5
1988年 アメリカ 監督:スティーヴン・フリアーズ
キャスト:グレン・クローズ、ジョン・マルコヴィッチ

 原作はド・ラクロの小説「危険な関係」
 18世紀フランス社交会が舞台。この映画、アカデミー賞美術賞、衣装デザイン賞を受賞している。衣装が素晴らしいとの評価であったが、今見ると驚くほどではない。それに、華やかさが感じられず、狭い世界での映画に思えた。

 革命近い18世紀パリ。メルトイユ侯爵夫人(グレン・クローズ)は、ゲーム感覚で秘密の恋を楽しむ未亡人だった。自分を捨てた愛人のバスティード伯爵が18才のセシルと結婚すると知り、復讐の計画を練る。プレイボーイのバルモン子爵にセシルの処女を奪わせ、バスティード伯爵を笑い者にしようというのだ。

 特筆すべきは、メルトイユ公爵夫人とバルモン子爵の微妙な関係。公爵夫人の言いなりになりながら、再び愛を勝ち取ろうとするバルモン。バルモンがゲームで恋に落ちるとどこかで嫉妬するメルトイユ夫人。バルモンが仕掛ける恋愛ゲーム以上に彼らの関係が恋愛ゲームそのものなのだ。これがつまり「危険な関係」なのだろう。

 この微妙な関係を演技派グレン・クローズとジョン・マルコヴィッチが見事に演じている。すごいと感嘆する。これだけでもこの映画、充分観る価値がある。
それにしてもマルコヴィッチは曲者の俳優だ。

 結末はそうなるだろうという展開、人の心を弄ぶインモラルゲームを断じるという点では納得のラスト。

#2022-255
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