TaiRa

ジャン=ポール・ベルモンドの 恐怖に襲われた街のTaiRaのレビュー・感想・評価

-
アメリカの刑事アクションに対するフランスからの回答なんだけど、めっちゃ歪な映画になってた。

ベルモンドが『ブリット』や『ダーティハリー』に対抗した刑事アクションなんだけど、乗っけからジャッロみたいな変態スリラーが展開してて最高。冒頭の女性落下シーンの気合い。着水時のショボい音が味。前半は、ベルモンドが過去に取り逃したギャングを追跡する話と猟奇殺人鬼を追う話が同時進行しててぶっちゃけ散漫。『フレンチ・コネクション』を過剰にした地下鉄チェイスシーンは楽しい。イーストウッドがバスの屋根に飛び乗るなら俺は電車の屋根に飛び乗っちゃうよ、からのシンプルに危ないスタントが狂ってる。マックイーンが『ハンター』で電車の屋根に登ったのはこれへの対抗か。もちろんジャッキーも。アパートの屋根で行われるチェイスは『めまい』のオープニングからインスパイアされてるっぽい。直前に階段の俯瞰入れてるし。ヒッチコックサスペンスやジャッロから、やり過ぎなスタントアクションに流れて、最後は立て籠もった猟奇殺人鬼を学者が考察する様な謎要素も入って来る。それ効果的なのか?と思ってしまうヘリコプター宙釣りアクションからの犯人ボコ殴りは笑った。アクション先行で話は適当にくっつけた感じが現在の『ミッション:インポッシブル』と同じ。ポルノ女優の家の内装が記号的でウケる。
TaiRa

TaiRa