「怒りはお前を幸せにしたか?」
憎しみは憎しみしか生まない。
まさに現代社会に警笛を鳴らす作品です。
アメリカ社会を知る上でいろんな人に観てもらいたい。
亡くなった父の影響で白人至上の過激派グループのリーダー格となったデレク。
彼の体にはナチ党のタトゥー、部屋はヒトラーのポスターや戦艦の模型で埋め尽くされ、弟ダニーはそんな兄を崇拝している。
彼らはあるきっかけで改心していくが、
過去の代償はとても残酷なものだった。
ノートンとファーロング、ダブル・エドワードの演技が力強くて繊細。
顔のアップが比較的に多いこともあり
目の中にある恐れと怒り、悲しみと優しさがまっすぐ突き刺さってくるようでした。
若者の心は情熱的。
信じた人の考えや思想にはたとえ間違っていても従ってしまう。
だからこそ自分の目で世界を見て、知って
自分の頭で物事を考えていく必要がある。
とても切なく悲しい話ではあったけれど
なにか力強いものを感じる。
憎しみからは決して平和は生まれない。
思わず目を背けてしまう話題に真っ向から踏み込んだ、勇気ある作品だったと思います。