えいこ

パプリカのえいこのレビュー・感想・評価

パプリカ(2006年製作の映画)
4.5
原作が雑誌「マリ・クレール」に連載されていたことを覚えている。未来的なテーマながら、挿絵が平面的で素朴な感じだったので、勝手におとぎ話的なイメージを持っていた。映画版を見て、リアルな世界観に圧倒された。夢と現、意識と無意識、 今の自分と過去の自分、自在に行き来するイメージに違和感なく没入。

玩具や人形、動物など混沌としてグロテスクな夢の世界と平沢進の音楽が絶妙にマッチして世界観を作っている。パプリカと敦子の有り様、時田くんとあっちゃんの関係、粉川警部の物語など、複層的に絡みながら、終盤にかけて収束していく。これだけの複雑で拡がりを持った物語を多少粗っぽさはあるものの完結させる手腕は凄い。
少しキュンとする終わり方も好もしい。
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