ロロロ

パプリカのロロロのネタバレレビュー・内容・結末

パプリカ(2006年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

夢という混沌を圧倒的な画面構成と音楽で表現したその手腕に脱帽!パッと目を引かれる極彩色の世界は鮮やかながらも明度が低くてどこか重たげな空気が漂っており、なおかつあれだけカラフルなのに緋色とやまぶき色?に近い二種類の色を基調に画面にまとまりができていて目がチカチカしない。それから画面を構成している要素がとにかく多い。いろんなおもちゃやら家電やら人形やらが不気味にうごめいている。この不気味さの一因として、宗教性があるんじゃないかな〜人形とか家電が動いてるのが付喪神みたいだったり、シンプルに鳥居があったり。ずっとパレード、何かのお祝いをしているのもお祭りみたいだよね。この宗教要素はどういう意図で盛り込まれたのかが気になった。

画面だけではなく、夢を鑑賞者に疑似体験させるような表現法が至る所に散りばめられている。個人的に注目したいのが「ずっと何かに追われている」っていう悪夢独特の緊張感の作り出し方。動きたいのに、逃げたいのに思うように動けないのを空間の歪みという形でアニメーションに落とし込んでいるのは素直にすごいと思った。
あと前評判は聞いていたものの、やっぱり音楽が壮大というか、まさにパプリカのための曲だったな。中毒性もさることながら、あのよくわからんめでたい感じがピッタリ映画に合ってた。言葉さえも楽器にしてるような独特のリズムがやみつきになる。

ストーリーももちろん面白かった。まさに胡蝶の夢! 意識と無意識の世界の境界がどんどん曖昧になっていくのは恐怖だった。
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