映画を語るうえで『ロッキー』シリーズはその人の嗜好を決定づけているような、ある種指標みたいなイメージが勝手に染み付いている。
これは単なる思い込みなのだが、つまり作家主義者はロッキーを毛嫌いする傾向があって、逆に80年代信者は熱狂的なファンが多いという感じといか(もちろん偏見です)。
できる限り両方愛したい自分は欲張りなのか分からないが、やはり前者に『ロッキー』について問うと鼻で笑われてしまうのが現状である。ハスミン効果だろうなとも、もちろん単に愚作と思ってる人もいると分かっているのだが、自分としては『ベスト・キッド』『ロッキー4』『オーバー・ザ・トップ』『シンデレラ・ボーイ』は映画としての評価度外視で擁護していきたい。
むしろ駄作に近しいこれら筋肉映画も自分の中では『トップ・ガン』のようなステロイド映画とは明らかに違う、結局俺は音楽×トレーニングの相乗効果を見てるだけで脳から快楽物質がダダ漏れる変態人間なんだと思う。
言わずもがなシリーズ中では本作が圧倒的に筋肉に効く、車疾走シーンのモンタージュから科学と野生のトレーニングをクロスカッティングで見せる迫力は冷静になってみると結構すごい、倒れる巨木と人間のマッチカットは初めて映画を分析的な眼で観た記憶。
まあトレーニングしてる間は脳筋なのでそんな事考えないけど…やっぱ何も考えなくてもすごいからほんとにすごいとおもう(シャワーで汗と一緒に語彙力も流してきました)。生活習慣が終わってる俺が言うのもなんですが、みんな筋トレしようぜ。