土偶みてーな顔色のジョーン・コリンズが悪女という歴史物であるが、主役は常にヘソ出してる彼女や大王ジャック・ホーキンスではなくやはり大ピラミッド。とはいえその全景はラストしか登場しないのだが、大いなる建>>続きを読む
マジでずっと何やってるか全く分かんないのに面白い。主人公すら状況を理解してないし、敵味方を描き分けることなくサスペンスだけが無限に引き伸ばされていく狂気はクルーゾーの脳内を見てるみたい。
自宅と精神病>>続きを読む
サイレントの続編をトーキーで撮るという難題への回答が、ここからアメリカ神話に統合されると思うと興味深い
徹底して見せない不可視サスペンスが恐怖演出となるのは『M』から戦後スリラーまで変わらないし、サ>>続きを読む
出てくる女の子がみんな型落ちのアンナ・カリーナみたいで怖い。ファッションなんて革ジャンしか知らんのでこれは評価できんが、パパラッツィにもあった出崎の三度パンみたいな演出だけ印象に残る
社畜の限界ヴァカンス、これもある意味不自由についての映画。
ロジエがなぜ船にこだわるのかといえば、そこには都会的なルールも「壁」という物質的な隔たり存在しないし、他のどんな交通機関よりも素肌で自然を享>>続きを読む
処女長編という括りで相対化してみてもトリュフォーやユスターシュよりロジエの圧倒的な育ちの良さが出てる
しっかし長すぎるぜこれは……マジ尺半分で全然いける話なのに引き伸ばしまくり、五回くらいエンドロー>>続きを読む
もう忘れかけてるが、内側(同業者)から見たゴダールという視点は到底我々の理解が及ぶ地平にはない。「ここは使われないだろう」という台詞も彼にしか許されない言葉であるし、当然貴重なアウトテイクを収めている>>続きを読む
BBの眼球が死んだ魚みたいで怖い。下世話な記事へ印刷される盗撮写真のため、ダーティハリーみたく望遠レンズで岸壁から彼女へピントを合わせるパパラッチ共。
そのレンズはおろか、存在全てが神聖な映画キャメラ>>続きを読む
これは好き。映画製作≒舞台という、プロデューサーやら監督/俳優間の内部対立が分かりやすく投射されてるだけなんだが、こうした「不自由さ」についての映画をそれと全く無縁であったとしか思えない自由人ロジエが>>続きを読む
初ロジエ。なんか思ってたのと違ったーーー!
けど感情を隠さないヨーロッパ然とした人物像は掴めたし、ヌーヴェルヴァーグ後の映画ではしばしば自立した強い女性と幼稚な男性が対比構図で現れるのだが、本作はまさ>>続きを読む
銃だけが存在意義である男女が惹かれ合う序盤からもう救いようがなく、他者からの干渉を一切絶って相互的に犯罪へ身を浴していく。
精肉工場を走り抜けていく俯瞰は従来のノワールにはないアングルだし、二台の自動>>続きを読む
ブルーレイ神。風に揺れるモーリン・オハラの白エプロンとウェディングドレスがアイルランドの豊穣な気候を可視化する。やはりラストより冒頭の何でもない合唱と隊列の美しさにこそ泣きそうになるし、並の監督なら最>>続きを読む
『裏窓』『デジャヴ』と同じ"フレーム"を越境していくメタ映画であるが、上記の二本は窓・立体画面という物質であるのに対して、本作では舞台装置に加え作劇性という不可視的な領域までもが踏み越えられていく。>>続きを読む
消えた陪審員と同じイメージの羅列。緩やかなパンで印象付けられる時計屋が既にクライマックスの舞台となることを暗示しているのだが、この尺でスパイ物までやるのは流石に欲張りすぎかと。
予知夢は因果として弱い>>続きを読む
タイトルがどストレートで秀逸。指名手配犯の潜伏先らしい療養所へ私立探偵が異常者を装って入所する屋内スリラー。しかし実態は暴君看守とボスが支配している刑務所で、窓枠やこいつらの輪郭が白い壁に影を落とすと>>続きを読む
大脱走よりも寧ろ『第十七捕虜収容所』で、捕虜とは思えない楽観性を波及させているがベッケルやブレッソンのような緊張感も強かに持ち合わせている傑作。
単独脱走を試みる元士官が、外壁まで到達し得たか否かを知>>続きを読む
おもんなすぎてゲロりそうだった。俺の贔屓俳優であるナイジェル・ブルースが中年童貞みてーな役なのも許せんし、パパ活女子をコメディで処理すんのは流石にキモすぎるってw
サウナで被害者の会するのは笑ったが、>>続きを読む
その存在感が徹底して透明化されていながら、苛烈な運命を背負う溝口の女性は常に霊的なのだが中でも郡を抜いて異形なのが本作の京マチ子。
しかしその能面で冥界へ誘う彼女を凌駕するほどに霊的なのは男の妻であ>>続きを読む
去年の映画の日に見た。映像の世紀みたく装置としてのシネマトグラフは解体せず、ただリュミエールがそれを向けた被写体の歴史を追っていく。
ワンカットと語り継がれている神話も実際には機能的な限界でしかなく>>続きを読む
苦手意識の強いタル・ベーラであるが、これは良い意味で21世紀とは思えなかった。
ただ距離ごとに見た目を変えるだまし絵みたいなクジラ≒見世物から、傀儡政権の裏側まで見せる主題そのものにあまり興味を持てず>>続きを読む
資料価値に留まることなく投影された光が人々の瞳を吸引する、現代まで鑑賞に耐えうるドキュメンタリーとしては最古にして最高峰と思います。
貪欲な作家性が産んだ虚構が真実以上の強度を持ってしまうのは映画史の>>続きを読む
今回やっと完全版を…。ノスフェラトゥに関する資料の文言がドライヤーと同じく、絶妙な厨二感が漂ってて香ばしい。
吸血鬼との接触も同種化ではななく噛み殺されるだけで、感染というウイルス的な面は黒死病が分か>>続きを読む
普通に配信されてて驚き。止め絵こそないものの、連続パンとか明らかに出崎のOVA演出を逆輸入してるくせに作画は手塚眞寄りという。単純に尺足らないのは仕方ないけど、原作でもかなりいい話なんだよなこれ。
根底には人種差別の糾弾と自己肯定があり、固定観念に縛られた輩を実力でねじ伏せていく話を作画・シチュエーションをとっかえ繰り返してるのがいかにもディズニーらしいが、『ダンボ』という到達点から遠ざかりつつ>>続きを読む
後半の特殊効果は凄いが映画としてはそこまで。西部やアイルランド以外のフォードはインド駐屯地ほか『ギデオン』『荒野の女たち』等数あれど、これだけ露骨なメロドラマは珍しい。ドロシー・ラムーア達の島を制圧し>>続きを読む
休暇を貰った少年兵が戦場を後にするとき仲間から家族への贈り物を託される様子や駅での人助けなど、人間味溢れるシーンの蓄積が次第に足枷となっていく。
少女との恋が悲惨さを中和しているが本作の真の主題は反戦>>続きを読む
まだあどけないガキと暮らすクリント・ウォーカーのもとへ先住民の女が転がり込んでくる話。摘出シーンのキワモノぶりが白眉で、声だけ聞いたらレイプされてるとしか思えなくて笑った。しかし悉く映画的な悦びが欠け>>続きを読む
当然のように馬上から見下ろすコマンチ族/見上げるスコットの切り返しから始まり、襲い来る先住民を倒すべく会話に先立って無法者たちと共闘する。
『ライド・ロンサム』と同じく目的地へ移動する過程が描かれる>>続きを読む
今まで観てきたA24ではトップクラスの出来かと。
実力から寿命まで、全てを弟たちに越されていくザック・エフロン。体躯も彼が一番最初から出来上がっていたが、その体つきはシュワちゃんなどのハリウッド俳優的>>続きを読む
やや失速気味と評される本作こそ実は私的ベスト級で。ゼッポに代わり感情豊かな「馬」が四人目のマルクスとなり、コメディでは片付けられないMGM全盛期という多幸感の加速へ便乗する。ほぼミュージカル映画よ
ドラゴンボール然り、原作と実写映画で最も偏差の大きい作品の一つ。
大槻ケンヂが昔「美しき狼たち」を激しい同性愛の歌と言っていた事が思い出されるが、本作もこうした一方的な解釈が生んだ二次創作として捉>>続きを読む
ブン屋が記事を書かない代わりにギャングから金を巻き上げ、それが正義云々というよく分からん映画。演劇かってくらいアクションを欠いてて退屈だが銀行やタクシー、クラーク・ゲーブルの部屋など扉が相対化されてる>>続きを読む
自分を天才詩人と思い込んで知らん女に貢ぎまくり、犯罪に巻き込まれていく不憫な主人公。完全にパパ活被害者みたいな顔してんのも得点高いです。
表現主義の特色である妄想や影、その契機となる謎めいた馬車など>>続きを読む
視聴困難や記憶補正でスコア高騰するのも分からなくないが、当時の若年層に向けた消耗品として時代を実感せずにはおれない。
死後の世界で出会った男女が転生で別れ、再び地上で出会う話に捻りなんてないが、普通の>>続きを読む
ヤク中映画。大病を患った父親が薬の副作用で狂っていくも、服用を止めると死んでしまうため八方塞がり状態で家庭が壊れていく。
幸福な描写の次は必ず不幸が倍で返ってくるレイ映画の真髄。引き伸ばされた影が別>>続きを読む
平穏な日常が(肉体の縮小という)不可抗力に蝕まれていく過程は放射能被害を暗示してもいるのだが、妻や周囲との視線関係の逆転という非現実的な現象を見せる手段としての「SF」ジャンル駆使も一流かと。
無情>>続きを読む