ろまらん

愛は静けさの中にのろまらんのネタバレレビュー・内容・結末

愛は静けさの中に(1986年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

始めの方、熱い先生と怒ってばっかりのサラにちょっと引いて見てたら、だんだん良くなって驚いた。サラの美しさにも驚くが、それ故の生き辛さも語られる。
二人が仲良くなってから始まる、後半のより深い展開、手話に疲れたジェームズがバッハを聴くあたりから凄みを増す。2つのバイオリンが絡み合う美しい曲、ソファに横たわるジェームズと奥の椅子のサラのショットから、その美しさを表してと頼まれたジェームズが照れながらも何か崇高なものを手話で表そうとする場面へ。バッハ好きには至福の選曲。
お互いの世界を分かりあおうとする試みはもどかしく苦しい。究極の自己と他者問答。ジェームズが初めて聞いた魂の声。
愛を知ったサラが帰るのは離れた母の家。傷つけ合った家族の過去にも正直に向き合う。もう怒りのアーマー要らなくなったサラが優しい。深い映画だな、これは。
ろまらん

ろまらん