全国おにぎり協会

松ヶ根乱射事件の全国おにぎり協会のネタバレレビュー・内容・結末

松ヶ根乱射事件(2006年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

再挑戦で全部観ることができた。
初見時はあけすけな性行為や性を笑い話にする感じが苦手で冒頭20分ほどで挫折。

官能さのない下品でリアルな性のオンパレード、そこがテーマでもある。娯楽がない閉塞的な町での娯楽は、やはりそれになってしまうか。どうしようもない人達と、結局何も変えることのできない乱射事件の話だった。
まさにブラックコメディで面白かったが、見ていてしんどくなってくる。

誰もが何かしらの反社会的な行為をしているが、なあなあにして流して受け入れてそれだけ。
田舎に嫌気がさしながらも改善するための具体的な行動は起こさずに悲劇のヒロイン的に大泣きして終わるだけ。光のお姉さんは、弟が何か犯罪に巻き込まれているかもしれないのに、弟の事情は詳しくは聞き出そうとせず責めるだけ。最終的には自分の悲劇話に持って行く。聞いていて疲れるやりとりだ。

ヤクザカップルも最終的には居ついてしまう。金塊を換金しようとした時に職員さんが警察に通報などすれば捕まったはずなのに、それをしない。事なかれ主義で周囲の人達と笑い合うだけ。
最終的に、出所の分からない金のキーホルダーを売ることができてしまう。健全ではないよ。
この町は吹き溜まりなんだなって思った。

身内に優しくない両家顔合わせ。
誰かを落とすことで誰かの株を上げようとする話術、嫌いだ。笑えない話を笑い話だと思っている感じも嫌だなあ。
最終的に破断になりそうで主人公かわいそう。

主人公も結局は春子を買っていて、クズの一人だった。
「みんな知ってんだよ」とても怖い言葉だ。また、田舎に住んでいたことがある身として、深く同意できてしまう事実。あれ、怖いよな。