ふじこ

となり町戦争のふじこのレビュー・感想・評価

となり町戦争(2006年製作の映画)
2.0
本の方が断然いいな。

この原作を映像化するのは難しいと思う。

が、それ以前の問題として、仕草や表情の動きに安っぽい音をつける演出が残念すぎた。また、全体的にキャラや芝居を濃くしていたが、この話の演出としてはそうじゃない感が否めなかった。
※役者さんが悪いとはいっていない。むしろ良かった。香西さんなんてぴったり。

こんなに文句言っといて演出の代替案は思いつかないのだけど。…原作の雰囲気とはちょっと変わるが、思い切って夜間戦闘シーンをサブリミナル的に挟むなどして視聴者だけに緊張感を持たせるとか?

原作に次のような一節がある。
「考えてみれば、日常というものは、そんなものではなかろうか。僕たちは、自覚のないままに、まわりまわって誰かの血の上に安住し、誰かの死の上に地歩を築いているのだ。ただそれを、自覚しているのかどうか、それが自分の眼の前で起こっているかどうか。それだけの違いなのではなかろうか。」このメッセージをもっと強く打ち出して欲しかった。

また、この話は同時にほのかなラブストーリーでもあるのだが、原作のR指定が入りそうな描写がことごとくカットされていて、スパイス要素が削がれたのも残念。まあそれは興行収入を考えると仕方ないか。
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