かずま

ドゥ・ザ・ライト・シングのかずまのレビュー・感想・評価

ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)
3.6
”Do the Right thing”

タイトルが強い。
ただポップな色味からくる鑑賞前のこの言葉の受け取り方と、鑑賞後のそれとでは明らかに濃度が違うというか、ベクトルも変わりました。

正しいコトってなんだろね。
みんな正しさをちゃんと求めてこ!的な普遍的”正しさ”の統一を目指す様な世界観じゃなくて、
其々の”正しさ”のゴリゴリのせめぎ合い。

それも座学形式の論理チックな”正しさ”の追求ではなくて、泥臭い感情から溢れでる各々の”正しさ”。
その象徴ともいえる終盤は、もう”正しさ”の追求をやめたくなっちゃう。

人種問題っていう現代ですら(というか加速してる?)どこ触っても火傷みたいなテーマを、最大のカオス状態で置き去りにされるそのラスト。
で、偉人2名のメッセージ。
考えなさーい。と残されても、こちとらもう疲れちったよ。。

でもやめたら終わりなんだろうね。
ホモ・サピエンスという生き物は面白いものだよなぁ。

宗教だって法律だって貨幣だって国家だって。
言ってしまえば全部想像上の産物なのに、違う人種が同じ対象を信じて、同じルールの下で使用して、同じ文化を共有しあったりできる。📖💴🇺🇸
でも、肌の違いの問題は何世紀に渡っても解決できない。

眼に見えないものよりも、眼に見えるものの方が扱いきれない。
何なんだろ。

何がRIGHTで、何がWRONG。
金や法律と違って、人種問題にルールは作れないよね。

確かに体感温度は作中のブルックリン、37℃。
肌よりも脳に汗かく作品です。
かずま

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