Lizettte

ドゥ・ザ・ライト・シングのLizettteのレビュー・感想・評価

ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)
4.5
アメリカにおいての人種差別といえば、白人から黒人への差別が思い浮かぶし、また映画でもよく描かれている。この作品ももちろんそれが主題だが、その作品の鋭いところは“差別の相互関係”を描いているところだ。白人が黒人を差別しているように、黒人も辛い歴史から自尊心を持って白人を差別していたり、イタリア系や韓国人が登場することで、いろんな方向への人種差別がたった一日の出来事で描かれている。日本で住んでいる私にはどこからが差別なのかわからないが、よく見かける“ジョーク”で片付けられるような発言でも奥底には隠しきれない差別の意識が潜んでいるのかと考えさせられた。“Do the right thing”それは暴力をしないこと。暴力が何も生まないことを、この作品は逆に暴力を容赦なく映し出すことで訴えている。この作品の重要性は2015年の今、更に高まっていると言えるだろう。
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