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サミー南へ行くのchiyoのレビュー・感想・評価

サミー南へ行く(1963年製作の映画)
3.5
2021/9/26
88分の再公開版を鑑賞。スエズ動乱の爆撃で両親を失った10歳の少年サミー。孤児となった彼が目指すのは、叔母ジェーンが暮らす南アフリカのダーバン。ポートサイドからの距離、実に8,000km。方位磁石を頼りに南に歩き続け、困難に陥ると誰かと出会えるご都合主義なところはあるものの、それでも懸命なサミーが意地らしくて応援したくなる。中でも、最初に出会ったシリア人の男性との別れがなかなか衝撃的で、10歳の少年にとっては重すぎる。が、申し訳ないと思いながらも彼の荷物を頂戴し、再び歩き始めるサミーが逞しい。また、後半に登場するエドワード・G・ロビンソン演じるコッキー老人との交流が微笑ましく、心から安心できる人とやっと出会えたことにホッとした。彼との出会いがあったからこそ、両親の死も知らず知らずの内に乗り越えられている。ラストで夢を語るサミーが可愛らしい。
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