Yoshishun

仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010のYoshishunのレビュー・感想・評価

3.0
“ディケイドとWの落差”

ディケイドはリアタイ途中離脱、Wは先日完走した状態での鑑賞。
今や定番となったMOVIE大戦だが、てっきり最初から2ライダーが共演していると思いきや、各ライダーのエピソードをそれぞれ流した後に最終的に集結するという形だった。

さて、このある意味三本立てラインナップの本作だが、ディケイド編とW編の完成度の差がかなり大きい。
ディケイド編はTVシリーズから連なるディケイドの物語の完結編となるが、冒頭から先輩ライダーにタメ口当たり前、カブトやスカイライダーを瞬殺してしまうというチートっぷり。しばらく見ない内に破壊者と呼ばれるようになっていたりと、完全に事前知識がないと置いてけぼりになる。
それでもかなり投げやりな物語には初見組から見ても酷く、ディケイドこと司の最期と復活や突然登場する女性ライダーというトントン拍子なクライマックスと良いところが1つもない。そして龍騎のジオウスピンオフにおけるジオウにも感じた、アルティメットフォームのデザインのダサさはどうにかならなかったのか。また、あれだけ平成ライダー以外のカードも集めていたのに最終決戦に集ったのは平成ライダーだけというのも寂しい。

対するW編は、TVシリーズでは詳細までは明かされなかったビギンズナイトが描かれ、吉川晃司演じる仮面ライダースカルのデザイン含めTVシリーズに劣らない面白さ。死んだはずのおやっさんと対峙することで苦悩するハーフボイルド翔大朗が、過去と向き合い、成長していく。亜樹子と父との絡みがほぼ無かったのは惜しいものの、Wの始まりの物語としては十分納得できる出来だといえる。

最後に、W&ディケイド編だが、取り敢えず無理やりミックスさせたとしか思えない。ディケイドが既にWのカードを持っているのも意味不明だし、両ライダーははるばるあの無人地帯までバイクを走らせて追い込んでいたのかと思うとシュールすぎる。決着の仕方もここまで引っ張ってきた割にはあっさりとしすぎ。

ディケイド編が酷く、W編は普通に面白いと思えるため、合作としての評価は低め。リアタイ時から舐め腐った態度が苦手過ぎたディケイドの完結篇が尽く足を引っ張った印象。ビギンズナイトはTVシリーズに組み込むことも出来ただろうが、本編に絡む重要エピソードとして映画化したのはある意味正解だったのかもしれない。
Yoshishun

Yoshishun