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花よりもなほのERIのレビュー・感想・評価

花よりもなほ(2006年製作の映画)
3.7
想像以上に面白くて、どんどん映画の中に引き込まれていって、大笑いできて、ほろりと泣けて、私は大好きな映画やった。これは好みが分かれる映画なんやろうなぁっと感じつつも、是非オススメしたい作品です。

これまでの是枝監督のシリアス、ドキュメンタリー映画とは違って、泣けて笑える時代劇映画です。

でもたぶん奥に秘められた哲学みたいなものは、これまでと何も変わっていなくてマイナスをプラスに変えるのは!嫌なことされても、笑顔でいるのがどれほど大事か!とか、そういう精神的な微妙な変化を、笑いを交えながら、ストーリーとしてしっかりと動かしていく作品。

とりあえず観終わった後、心地よい幸せな気持ちになれる。なんだか元気になれるような。ほわっとする映画。

役者たちも素晴らしく良くて。音楽もいい。テンポも絶妙で好き。

なんだか煮え切らない侍に岡田准一。男前なんだか、なんなんだかわからない所がいい味出してました。千原の兄ちゃんとか、キム兄とか、宮沢りえちゃんも、その子供も、出演者みんな適役で、それぞれに人生があって、面白かったです。ほんま、いい!

生きてるとむかつくこともあるし、にらめっこするときもあるし、傷つけられることもある。許せないほどの罪もあって。でもそれを恨みで返してしまったら、その出来事は解決しないまま、ずっとずっと続いていくだけ。それを断ち切るためには勇気と知恵と、なにより愛情が大切で。

物事を遠くから観たら、自分を取り囲む色んな世界や人の笑顔が見えて、「ま、いっか」て思えるかもしれない。ずっとずっとにらめっこしてたら、眉間にシワがよって疲れてしまうけど、生きてることはきっとそれだけじゃないから。

なんだかね、答えが出ているようで、出ていないような映画なんやけど。是非観てください。
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