なおたろ

母なる証明のなおたろのレビュー・感想・評価

母なる証明(2009年製作の映画)
3.7
時間の使い方が贅沢な映画。殺人事件の外でもいろんな形の暴力ばっかり見せられる映画なのだが、特にアジョンのお婆さんのシーンが最悪だった。ラストも後味悪〜いのよな、お願いだから味しめて再犯はしないで!嫌な話

固有の名前を与えられてない「母」はトジュンを愛して守ってそして怯えている。トジュンは分かっていなくても真実にたどり着いてしまうし、それを隠してやり過ごさない。トジュンの無実を信じて奔走したときの気持ち、もっと強い農薬を選んでいたらという後悔、それを両立するための「悪いもの」をなくす鍼。

邦題を母なる証明とした人のニュアンスが結構好き。この母親は強くて健気な母親、という言葉から連想されるような姿ではなく、息子(とそれを鏡にして映る自身)の暴力性に怯えて母子の関係に追われ必死な形相を見せている。息子の無実を信じる健気な母であることを証明することが贖罪であり、すべて見抜いてしまうトジュンに出来るへつらいでもある怖い怖い母子だった〜嫌だ…
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