Melko

ミセス・ダウトのMelkoのレビュー・感想・評価

ミセス・ダウト(1993年製作の映画)
3.7
「大丈夫、すぐに代わりの家政婦が見つかるわ…」
「ダメ、みんな落第よ」

有名だけど実は一度も通しで見たことなかった作品を見ようPART2

ロビン・ウィリアムスが女装してある家の家政婦になる
っていう情報しか知らずに見たので、
彼がバリキャリの妻に対して甲斐性無しで離婚寸前のダメ夫だけど、一方子供3人に対してはユーモア溢れる良き父親で、その自分の家に家政婦しに行くことになる
だったとは。

ロビン・ウィリアムス圧巻の女装演技と、それによって自分で巻き起こす数々のピンチが見てて面白い。
女性にしては明らかに変なゴツくてデカい図体という違和感バリバリの見た目を除けば、首の傾げ方や所作、態度や声がオバサンそのもの。特に声の演技は凄い。電話口でならホントに女性と勘違いしそう。
子供たちの中では、後に「マチルダ」に主演するマーラ・ウィルソンが抜群に可愛い。顔の動きがわざとらしくなくて良い、ちっちゃい鈴木蘭々。

終盤ディナーでのウルトラドタバタ大ピンチは「んなアホな」だしパニクりまくるロビン・ウィリアムスが面白すぎるし、スッキリサッパリハッピーエンド!とはいかない、「家族には色んな形がある」をドストレートに伝えてくれる、ある意味でほろ苦く、且つ力強くて優しいエンディングはなかなか良かった。
のだが、惜しいなーと思ったのは、

・ラブシーンなしの子供向け映画なのに、やたら下ネタ発言が多いこと

・長女と長男がミセスダウト=父ダニエルだと知ったことが展開に全然活かされなかったこと。ディナーでのドタバタに上手く絡めて子供達も活躍できたはずなのになぁ、と。なので、この2人の印象が特に残らず残念。ただし、そうと知った長男の慌てふためき具合はめちゃくちゃ面白かった。笑

・ダニエルにとってのライバルとなるキザ男が、人間としての欠点が見当たらない「ただの良い人」だったこと。個人的にこれは非常に残念だった。演じたピアーズ・ブロスナンはキザ男が似合ってたけど、打算的でもないし子供たちにも普通に優しいし、これといったツッコミどころが見つからない。ただ彼も家族を欲していただけで、ダニエルにとってのタイミングが悪かっただけ。これでは、阻止しようとするダニエル(ミセスダウト)がなんだかイタイ大人に見えてしまい、勿体なかった。

料理してる途中で胸が燃えたり、生クリームパックとか、笑える場面はたくさんあったし、締めも良かったけど、ちょっと惜しい。
けどとにかくロビン・ウィリアムスの演技の幅広さを思い知らされた。
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