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の・ようなもののZUSHIOのレビュー・感想・評価

の・ようなもの(1981年製作の映画)
4.3
森田芳光監督のメジャーデビュー作にして、制作費は実家を抵当に入れての借金というギャンブルながら、相当に攻めた造りの度胸が素晴らしい。
よほど自分の才能に自信がなければ、そんな冒険はできないだろうと思う。
メジャー映画としてオフビートコメディとしても楽しめるが、ところどころ8ミリ映画的な実験的手法が面白い。
例えば、なぜか男湯で脱衣している女の子に誰も触れないし、ストーリー上全く意味が無いのだが、それが凄まじい異化効果を生んで、一種サブリミナル的に作品全体に性のエッセンスを眩すのに成功しているし、シュールな幻想感も生み出している。
そして、1980年の夜明け前の浅草周辺の美しさ…青春映画の大傑作。
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