とらキチ

遊星からの物体Xのとらキチのレビュー・感想・評価

遊星からの物体X(1982年製作の映画)
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私的ジョン・カーペンター レトロスペクティブ2022
NHKのBSで、とても良いタイミングでOAしてくれました。
名作。終始ハラハラドキドキ、グログロでもう最高!元々のしっかりとしたプロットに巨匠ジョン・カーペンターの“風味”が加わったことで名作、カルトの域まで到達したと言えるのでは。あのクリーチャーの造型の気持ち悪さが本当にイイ!
動物の細胞を乗っ取るエイリアン細胞が、犬からヒトへ、ヒトからヒトへと拡がっていき、乗っ取られても、外見も行動も全く普通で血液をチェックしないと判別不能というのは、まるでウイルス感染症のメタファーで、このコロナ禍の世の中で観ていると彼らの切迫感が他人事ではなく、余計にリアルに感じてしまう。
脚本の展開、作劇上イイなぁと思ったのが、“あれ”に乗っ取られる隙がいくらでもあったこと。場面転換が多く挟まれており、これって結構ストーリー上ダルくなってしまう要素なんだろうけど、逆にその隙にアイツが…って想像が膨らむ。それが更なる疑心暗鬼を深めることに成功していたと思う。あのスッキリしない終わり方もまた良し。
そして、今作で一番お芝居が上手かったのは、実はあのワンコだったのでは。
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