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遊星からの物体XのPERSPECTIVEのレビュー・感想・評価

遊星からの物体X(1982年製作の映画)
5.0
秋のカーペンター祭第3夜。世間一般じゃグロくて気持ち悪い特撮だけがウリの映画といわれているようだが、それは偏見ですぜ。本作の一番の魅力は何と言っても、助けも呼べず、何を頼りにしていいのかわからない状態で「この中の一体誰が物体xで、誰が人間なのか?」という不安から、些細なことで暴走し、私刑や殺人などを平気で犯してしまう人間の狂気と、その末に存在するどうしようもない絶望だ。これらにモリコーネ御大の美しくも悲壮感漂う名曲や、不確定要素が混在する脚本(ガバガバなわけではない)、そして全体的に暗めで青色が目立つ映像が作品全体に与える緊張感と見事なまでに合わさった結果、本作は他のSF,ホラー映画とは明らかに違う次元に存在してしまっているのだ。
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