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地獄の黙示録のwtnbmghのレビュー・感想・評価

地獄の黙示録(1979年製作の映画)
5.0
彼岸と此岸の間を流れる川をくだるジャングルクルーズ。橋の向こう側はこの世ならぬ世界…というあまりにも構造主義的な映画。フランス人の女性が「あなたは二人いる。憎む人と愛する人」と言い、カメラマンが「宇宙に行くには分数じゃなく弁証法」と言い(女性もカメラマンも戦争の外側にいる)、ウィラードはカーツを殺して闇と光の両面を持つ一人の人になって再び川を戻っていくのもトリックスターたる神話の英雄のようである。
前半はいかにも戦争映画な描写なんだけどやってることははちゃめちゃでキルゴアという軍人(名前がもうキルでゴアだもんね)は波乗りをするために一つの村を焼き尽くす。ウィラードが川を下ったのに対しキルゴアは左右に別れるその波に乗ろうとしたのだ。これが戦場で生きれる男との違いを暗喩してるのかなあと思った。キルゴアもまた英雄たらんとし自らワーグナーの曲を流す。
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