じゅげむ

地獄の黙示録のじゅげむのレビュー・感想・評価

地獄の黙示録(1979年製作の映画)
-
茶番に振り回され 与えられた役を演じ
途中で目が覚めて 狂ってしまう
魂は家族や祖国の元に還ることも許されず
文明が懐古したような迷宮の森に閉じ込められる

『彼は頭じゃなくて魂が狂ってる』

とても印象に残ってる

本当にそうだろうか?
そうだとしたらカーツ以外は
『頭は狂ってて魂は正常』なのだろうか?

人から、カオス、イカれてる
と称されるものが
私にとってあくまで正常だった時
言葉に耐え難い寂しさや悲しさを感じる

正常なのは彼だった
最も人間らしかった 前衛的であった
だから多くの人が心酔したのでわ?

でもカーツも正解がワラカナイ
命を掛けて戦った愛する国に裏切られていた
自分が虫けらのように殺す人間も
虫けらのように扱ってくる国という概念も
蓋を開けたら同じ色の血が流れてるじゃないか
技術を持たずとも知能に差異も見受けられない
気付いてからが地獄のはじまり
今じゃ自分が裏切り者と呼ばれる始末
時間を進めることしか
救いや方法がないとしたら…

私が食べて寝て仕事してsexして
呑気に映画を観ているのは
間違いなく先人達の苦悩や
たくさんの屍の上に成り立ってることを
絶対に忘れないぞちくしょう

忘れないでねってコッポラは言ってる
じゅげむ

じゅげむ