オーウェン

地獄の黙示録のオーウェンのレビュー・感想・評価

地獄の黙示録(1979年製作の映画)
4.5
数ある映画で描かれたベトナム戦争と、実際のそれのずれが最も小さいのはこの作品ではないかと思う。

カーツ大佐とギルゴアの存在がなんとも衝撃で、一方は詩を呟く王。
片やもう一方は戦時下でサーフィンを楽しむため村を焼き払うという狂気を絵に書いたような男。

二人ともゴッド・ファーザー絡みとは狙ったようなキャスティングですが、マーロン・ブランドとロバート・デュバルどちらも怪演の極み。
大体ブランドは最後の方しか出てこないのに圧倒的な存在感を醸し出しており、間違いなく当たり役ではないかと。

マーティン・シーンが正気な人物というのは間違いで、カーツ大佐との会合によって大きく変わっていくとこなんかも人間の脆さがよく出てます。

まだ若いながらも暴走した心がよく出ているローレンス・フィッシュバーン。
いい味出してるし、ハリソン・フォードやデニス・ホッパーなどが短いながらも出演してます。

「ワルキューレの騎行」を掛けながらヘリからの空爆。笑みを浮かべてベトナム人を殺す兵士。

今を考えればこの頃となんら変わりない現実が浮き彫りにされるという矛盾。
この映画を観ると戦争が完全になくなる世の中など本当に来るのか怖くなる。
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