ひろくん

地獄の黙示録のひろくんのレビュー・感想・評価

地獄の黙示録(1979年製作の映画)
4.1
サイゴンでは感情があったのに、戦場に出るといつ何時も、笑うでも怒るでも怯えるでもない主人公の表情がすでに恐怖。
画面には色々な地獄が、フレアやスモーク、血、水、森、火などで色彩豊かに描かれ、地獄の遊園地のアトラクションを順々に巡っているような不気味なワクワクがあった。完全にワーグナーの編隊飛行のせいだと思うんだけど、ワクワクなどという感情が出てきてしまっている時点で狂気にほだされているのかもしれないが、船上での会話がどんどん噛み合っていかなくなるとことか、っていうか、もう段々誰もが自分勝手に喋っていくようになるので理解が追い付いていかなくなった。
戦場は狂気が満ちていて倫理の立ち入る隙がない。サーフィンをするやつもいれば悟りを開くやつもいる。無秩序という秩序が存在していた。まさにアポカリプスナウって感じだ。
ベタベタとした温度を持った空気が不快で気持ちいい。
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