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地獄の黙示録のヨウのレビュー・感想・評価

地獄の黙示録(1979年製作の映画)
4.1
ベトナム戦争下で暴走する大佐を暗殺するため一人の大尉が現地へ派遣される。残虐極まりない暴行。剥き出される人間の闇。常軌を逸した戦場で暗鬱な雰囲気に呑み込まれ、正気を失っていく。異様な光景を目にしながら精神異常をきたしていく様は我々の胸に悍ましさを与える。まさに狂気の沙汰である。全ての果てに辿り着いた結末はまさに”horror “。歪んだ哲学を矜恃するカーツ大佐と彼から一種の感化を覚えるウィラード大尉が中心となる構図は秀逸であり、これぞ映画という感じがした。そしてとあるドキュメンタリー映画で紹介されていた通り、音響も本当に素晴らしいものであった。名著『闇の奥』を翻案し、破壊的な人間の性を根底に据えたコッポラ監督の大作。ラストシーンで放たれる名言”horror…horror…(地獄だ。地獄の恐怖だ。)”がいつまでも頭から離れない。
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