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波光きらめく果てのこのネタバレレビュー・内容・結末

波光きらめく果て(1986年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

牛たちがいる崖に洞窟の底に、そんなところ行くかというところにお構いなしで車でぐんぐん向かう渡瀬恒彦と松坂慶子、いつ始まってしまうんだという予感が揺れ動く空気にどことなく辿々しい渡瀬恒彦とあまりにも綺麗な松坂慶子の様子が相まってもう気が気じゃない
そうかと思えばじわじわと大竹しのぶが壊れていく、そりゃとっくに気づいていたよね女の勘、
病室での大竹しのぶ、軽率だったのよという羽季子に、完全に自分に向けて呟いた「かわいそう...」の一言、圧巻...

もう空っぽの水槽、絵の中の花は枯れない、気ままな猫
人間たちだけがあくせくと廃れていくみたい
いっそ一思いに、魚を捌くように皆息の根を止めてしまえればいいのに、とか

「逃げるわけには、行かないんだ・・・」じゃないんだよ敦巳さん〜〜だけどあの浮気男の掴みどころのなさ、ああいうものか、、

カメラが舐める舐める、目元と口元、アワビの剥ぎ取り、フォークの重ね合い、たまに恥ずかしいショットが入るの藤田敏八ぽい、かっこつかない音楽、やっぱりどこか隠し切れない変態らしさを求めて観ちゃうところある、
崖にひとり立つ羽季子から日の出ときらめく波、結局何も解決してない気がしつつ、ここまできたら誰がどうなったって解決することなんてないかとも思う

おじいちゃんになった三國連太郎、とても良いな...
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