監督の少年時代の思い出が元になっているお話。すごくリアルな田舎の風景と人々の大らかさにノスタルジーを感じました。大したことは起きないけど過度な演出がなくて好印象です。
9歳の少年ルイは、母がお産のため夏休みの間、母の友人が住むブルターニュの田舎に預けられることに。
田舎の暮らしは都会っ子のルイには刺激がいっぱい。ウサギの目玉がくり抜かれていたり、パンツにシラスウナギを入れられたり。
怖そうな叔父さんが実は優しくて、だんだん打ち解けていく様子が微笑ましい。
近所の少女マルチーヌはいつも裸足で白パンツ丸出しなおしゃまなお転婆娘。彼女のおかげでどんどんルイがたくましくなる。教会の屋根に上るシーンにはヒヤヒヤもの〜
この作品がいいのは、少年を預かった夫婦や友人マルチーヌの目線でお別れを描くところ。立ち去る者より、残される者の方が何倍も悲しいのが伝わってくる。ルイはもうこの街に来ることはないかもしれない。刹那の出会いの寂しさもまた人生の味わいのひとつなんだなぁとしみじみ思う。
ルイ役は、監督の息子さんなのだそう。フランスで大ヒットした今作は『愛に翼を』でリメイクもされています。
✴︎mimicotさん、ありがとう✴︎