金子

下妻物語の金子のレビュー・感想・評価

下妻物語(2004年製作の映画)
3.7
嶽本野ばら原作、中島哲也の初監督映画。
結果的に両氏の名前を一般に認知させるに至った作品。
元々、コメディの要素が多かった原作にこのコメディ色を得意とする映像監督がタッグを組み、
結果、ロリータ文化というものを一般に浸透させるに至った作品。
土屋アンナ氏の映画初主演作品でもあります。

ロリータとヤンキー。
その見掛けが表現するのは全く正反対であるが、それを愛する心の熱量や、社会における境遇は似たものがある。
そんな二人がお互いの事を認め合い、
そんな感情がいつしか友情へと転化していく。
同じ熱量を持つ人間同士は、辿り着く所が違っても分かり合えるという事を教えてくれる物語でした。

周囲を固める俳優陣も、
樹木希林、宮迫博之、阿部サダヲ、荒川良々等の個性派を取り揃えた極めて濃いキャスティングにも注目。

ロリータ文化創生期に制作された作品であり、洋服も当時のBABY THE STARS SHINE BRIGHTのものなので、
今の方々が見ると少し古い印象かもしれませんが、
当時のロリータを取り巻く文化的背景は伺い知る事が出来るのではないでしょうか?

あと、余談ではありますが、
原作者嶽本野ばら氏は当初、
主人公城ヶ崎桃子を深田恭子ではなく、
小倉優子が良かったという話があったそうな。
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