福福吉吉

ロンゲスト・ヤードの福福吉吉のレビュー・感想・評価

ロンゲスト・ヤード(2005年製作の映画)
3.5
八百長疑惑で引退した元プロのアメフト選手のポール・クルーは飲酒運転等で捕まり、刑務所に収監される。その刑務所長のヘイズンから看守のアメフトチームと戦わせる囚人チームを結成するようポールは強要される。ポールは仲間のケアテイカーとともに仲間を集めようとするが...。

リメイク元「ロンゲスト・ヤード」(1974年製作)は観ていません。

プロの世界を去り、自暴自棄になっていたポール・クルー(アダム・サンドラー)が刑務所でアメフトチームを作っていくうちにアメフトへの情熱を取り戻していくストーリーとなっており、非常に分かりやすいです。恐らくアメフトのルールが分からない方でも充分に楽しめると思います。

また、ストーリーのテンポもよく、次々と困難にぶち当たっては乗り越えていく展開は緩急がついていて良かったと思います。特に看守による暴行やイジメが陰湿で観ていて腹が立ちますが、それを糧に囚人チームが強くなっていくのが分かるため、巧くカタルシスを解放できていて良かったと思います。

ポール・クルーは最初は自暴自棄だったため、自分勝手で理不尽な人物に映りました。刑務所収容後、ポールは八百長疑惑から囚人たちからも嫌われており、八方ふさがりだったのですが、親切な囚人のケアテイカー(クリス・ロック)の支えとアメフトチーム結成という目的から次第に好感の持てるキャラクターに変わっていきました。

対峙する刑務所長のヘイズン(ジェームズ・クロムウェル)は本当にクールな悪役が様になっていて、期待通りの自己中心的な人物として描かれています。

本作は元アメフト選手やプロレスラーが多数出演していますが、悪目立ちせずそれぞれが個性的に役に馴染んていて、見応えがありました。

終盤の看守チーム対囚人チームの試合はかなり適当な構成なので、本当のアメフトの試合を期待しては駄目ですが、各キャラクターたちの見どころを作って、きっちり盛り上がるようになっているので楽しめると思います。

なかなか面白い作品でした。

鑑賞日:2023年4月30日
鑑賞方法:BS松竹東急
福福吉吉

福福吉吉