同監督の前作「ミツバチのささやき」に比べると現実的な物語になっている。しかしその映像美は健在。相変わらずフェルメールの美学って感じ。ため息が出る。
近い存在なはずなのに自分の知らない父が垣間見える好奇心と不安。そしてどこかに行ってしまいそうな危うさ。他の映画だと娘に対して現れるこれらの要素が、父親に感じられる新鮮味。
最後のホテルでの会話が不思議な安心感と寂しさを与えてくれる。
最後の終わり方にびっくりして、しばらく呆気に取られたけど、その後の展開は察する事が出来るから、あえてそうしたのかも。ただもともと倍の時間をかけて物語を紡ぐ予定だったみたいだから、本来はあの先も描きたかったのかな。