空の落下地点

エル・スールの空の落下地点のネタバレレビュー・内容・結末

エル・スール(1982年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

この指輪は…❕自分の信仰や誰を愛してるかを、世界に向けて誰もが発信できたらいい。

「あの場所」ってメシア的王国のことなのかな。
結婚式みたいな聖体拝受、父にとってキリストは間男。妻でも元カノでもなく、〈結婚式〉のことを同じ熱意で回想できないことに失望した顔。

南にはセビーリャがあり、イスラエルがあり、そしてイスラエルは下向きの矢印みたいに振り子の形をしている。下へ下へ、地上からも下へ。
お父さんが地獄へ行った、少なくともお父さん本人は地獄に行くつもりで死んだ、という内容になってると思う。自らを罰する為かもしれない。
うつ伏せに亡くなってるのはその意志では。

探し物を見つけられる振り子だから、父の魂が地上のどこにも無いことが解ってしまった。天国や地獄という概念を持たず、死ぬと塵に帰るとされるユダヤ教。塵に帰ったなら、地上にあるはず。振り子に反応があるはずだ。
お父さんは、キリスト教もユダヤ教も、最期にどちらもを捨てて地獄という概念を得た。塵(地面)ではなく、地獄へ。キリスト教では自殺は不道徳とされ、ユダヤ教では明確に禁止されているそう。

小説には娘の方が、父と結婚したいと願う文章がある。信仰は魂の結婚、娘から信仰を奪い、娘の中で神の位置に行きたい。神とキリストを越えようとした。思想淘汰経験者だから、その娘への独裁的欲求を自分自身で許せなかったのかも。
振り子占いも神の敷いた自然に反してる。
空の落下地点

空の落下地点