水蛇

エル・スールの水蛇のレビュー・感想・評価

エル・スール(1982年製作の映画)
4.1
たぶん思いだせば思いだすほど形がかわっていってしまう家族の記憶。子どもの知識と人づての話とポストカードの絵だけで思い描くエル・スールくらい曖昧かもしれない。確かめられるものと確かめられないものが日に日にしっかり隔たっていく。

親の秘密、弱さ、人間らしさを知るのは通過儀礼だけど、自分を守ってくれる大いなる存在の人達がおなじ目線にくるのはこわくて刺激的だった。いつか家庭のスケールを超えて世界に出ていくことの予感はあんなふうだったな、という胸に迫る匂い。

幼少期と思春期で子役の子のくちびるがまったくちがう形だったり、字幕の複数の表記ゆれ(「当りまえ」「あたりまえ」とか)が気になって100%没入できなかったのがほんとに惜しい。細かくてごめん。でもほんとに気になる。
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