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エル・スールのumiのレビュー・感想・評価

エル・スール(1982年製作の映画)
5.0

やっぱりエリセの映画は美しくて、ただ観てるだけで泣いてしまう。美の定義は人それぞれ違うけれど、彼の場合は子供の頃の記憶に根差しているから私の琴線に触れるのだと思う。

多分ほとんどの女の子は大人になるまで父親のことが好きだから、なんだか女として見られてよかったなと思う作品。象徴的な「南」の使い方、最高すぎる。詩的だけど多くのフランス映画みたいにポエム過ぎず、硬派な小説の方が近い感じ。だから好き。

DVDに付いていた解説、日本のに付いているのか分からないので冒頭にあったエリセの言葉をメモとして訳しておく。

「映画を作ることは、ある対象にもう一枚の皮膚を被せるように結びつく。私たちの記憶の根本にある物語——主に子供の影や一度体験した青春は、過去ではなく今ここに存在している」
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