戦後日本を生きる聾唖夫婦のお話。
ここまでやるかってくらい辛い人生の中で、手を取り合って生きていく聾唖の夫婦。辛い人生の中で起きる小さな幸せがほのかに灯る。どんな状況でも前向きに生きていく力を感じる。誰かが倒れそうになっても、また別の誰かが支える。1人では生きていけないくらい小さな力でもどんどん拡散していこうとする力もある。
聾唖者でないとできないコミュニケーションで伝わる、2人だけの世界での会話が美しい。喧騒の中で一切周り関係無く、ただ2人だけの時間がゆっくりと流れていく。
あっけなさ過ぎるラストから、2人が生きた世界の証として、立派な子どもが育った事がこれまでの全てを肯定し、明るい未来へと続いて欲しい。