薄暮の帰り道、悲しげな目をする大石先生の手をそっと握り返す小さなまる子の手、もうここで完全に堰が切れた我が涙腺は、その後1時間ほどひたすらに放水を続けた。大滝、細野さん、たまとかやべぇよとかなんとか言う前に、まる子の「大好きな人はみんな大事だもん！」の一言が延々と脳内を駆け巡る。当たり前だけどいつしか忘れかけた忘れてはいけない感情、ジャングルジムの上からお姉さんに手を振るまる子、泣かないと決めておきながら震える小さな背中、無理、もう無理、死ぬ。春休みと引き換えに永沢くんに貰った雑誌よりまる子の往復の電車賃の方が絶対高いだろとかそんな些細な事はもうどうでもいい、無理なもんは無理、無理、ほんと無理。万難を排してキネカ大森に行くべし、それしか言えない、いや一応「ズバリ、傑作でしょう！」とだけは言っておく、無理。
B級男子ズに対するシンパシーがやばい。「夢は叶う、かもしれないね」を訴え続けたさくらももこという作家がいた事を俺も忘れない、つか無理、聞きしに勝る傑作、いや〜無理。
