ゆず

バンパイア・キッスのゆずのネタバレレビュー・内容・結末

バンパイア・キッス(1988年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

NYの出版社で働くエリートサラリーマン。男はある晩連れ込んだ女性に首筋を噛まれ、それから女は毎晩のように血を求めて彼の元を訪れる。男の記憶は一部あやふやになり、かかりつけのセラピストからも記憶の齟齬を指摘されてしまった。彼は情緒不安定になっていき、次第に奇妙な行動を取り始める。

最高に頭のおかしいニコラスケイジが見られる映画。

絵面は美しくないけど面白いwブラックだったりシュールだったりな笑いが盛りだくさん。けれどほぼ全てに「ニコラスケイジの顔芸と奇妙な言動」が付属してくる。めちゃくちゃ笑った。だんだん頭のネジがハズれていくイカれた演技はお見事。顔芸ぶりが強烈すぎて評価躊躇うけど面白かったw(VHSジャケットに爆笑してのレンタル)ただ妄想オチなのに狂った原因は謎なままなんで人によってはクソ映画かも。

彼の言動は被害妄想や多重人格からくるものなのか、それともヴァンパイア化のせいなのか。終盤まで要因ははっきりしないものの、突飛な行動に走るきっかけは主に「秘書が仕事を終わらせない」ことへの苛立ち。最初は秘書無能だなーと思ってたけど、だんだんおかしいのは男の方だと分かってくるのがまた面白い。秘書が無能なことに変わりは無いと思うが。

こういう、ミスリードを挟んで終盤ギリギリまで謎を明かさない展開は今となっては珍しくはないけれど、20年以上前のマイナー映画で(少なくとも日本では)、題材が吸血鬼・とことん狂ってく主人公・コメディ、って凄いチョイスだなぁw

Gのシーンは直視できず。しかもアレ本物なんだそうで、尊敬通り越してどん引きするレベル。それはさておき、ニコラスケイジの演技は今まで見た中でピカイチ。振りきれてる。マッチスティック・メンでもすごいなーと思ったけど、ぶっ壊れ方が比較にならない。この人ここまで出来たんだ!?って本気で尊敬してしまった。
ゆず

ゆず