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大停電の夜にのmatchypotterのレビュー・感想・評価

大停電の夜に(2005年製作の映画)
3.5
メリークリスマス🎄🎁🎄

日本のクリスマスの映画、、、と探して、『東京ゴッドファーザーズ』なるアニメがあるのかと思って狙いを定めてたもののそれが叶わず、“大人の”クリスマスの映画をチョイス。

本当に“大人の”クリスマス。
男の子と女の子の淡い恋心が実る、実らない、ドキドキワクワクの聖なる夜、の話ではない。

紳士淑女、一堂に。
不倫してたら左遷を命じられた男、時を経て思わぬ事実を漏らし漏らされる一線退いた妙齢夫婦、病で人生の終末を感じながら生きてる人、パートナーがいながら別の人と関係を持つ人。
思い人を待つのか何なのか迷いのある人、人生をやり直そうとしてる人、終えようとしてる人、そういうイベントに無関心な人、、、。

クリスマスと言っても過ごし方は千差万別。人がいて相手がいれば事情、痴情がもつれ、絡み合う、、、人の数だけ聖なる夜がある。

幸せだろうが、そうでなかろうが。
希望通りだろうが、そうでなかろうが。
この日はやってくる、クリスマス。

この年のクリスマスは、大停電に見舞われる。
そして、そんな千差万別“色々”あるはずの1日に、急転直下の停電によって更なる混乱と科学変化を呼び起こす。

かなり多くの物語が語られる。すごいレパートリー。本当に「クリスマスに、色んな過ごし方があるんだな」と感心してしまうほどたくさんの物語が紡がれる。

そして、錯綜する。停電によりそれぞれがそれぞれの道から逸れざるを得ず、それぞれの“色々”が、別の“色々”に繋がってきたり、元々の“色々”の姿形が変わっていく。

それもまた、幸せだろうが、そうでなかろうが。
希望通りだろうが、そうでなかろうが。

Blendyが協賛してるから、原田知世がBlendy飲んでる。にしても、田口トモロヲの妻、原田知世、キレイだな。

不倫相手のその田口トモロヲに捨てられてエレベーターに閉じ込められた女、井川遥もキレイ。この映画の彼女は少しふっくらしてるけど、全く問題ない。

店じまいするBARの店主トヨエツ、の、向かいでロウソク屋を営む田畑智子も好き。下目がちなのに、案外グイグイ積極的な感じが可愛い。

香椎由宇の力強さ、突破力みたいなのも発揮されてる。

ワケあり、陰あり、秘密あり。
ミステリアスさも、苦悩も。決して手放しで喜べないイチモツがあるからこそ、奥深さも滲み出てる女性陣の雰囲気がとても素敵。

トヨエツ、田口トモロヲ、吉川晃司、阿部力、宇津井健、男性陣もこの手の“ワケあり”がやたらと似合う男たち。
ある意味、“色々”積み重ねたからこそ、良い意味でそれぞれの違う味が出てる男たち、カッコいい。

本郷奏多もこの頃から存在感あって良いね。

ウッドベース弾くトヨエツのカッコよさと、それを泣き笑いの表情で聞いてる田畑智子のシーンが、なんか好き。
それと、その妙に取り繕った2人のラストシーン。なんか力が抜ける。

複数の不倫という不義的な関係がベースにはなっている。
しかも、時間軸というか、世代が違う不倫の話もあるが、それがどう言うわけか繋がっていく。

不倫やすれ違い、寂しさ、別れ、病魔。様々な負の経験。
輝く1日であるクリスマスから光を奪う停電という負の事態。

負の経験が、負の事態によって、ちょっとだけ正の方向へ向く。
マイナス×マイナスはプラスに。そんな逆転の発想、下向きなあれこれがちょっとだけ上に向いてるように見えるような。

これなら別れや孤独、寂しさも、それはそれで、それもありか、、、かも知れないと思えるような。

楽しい話ばかりではなく、不倫は悪であり悪でもないみたいなことにもなってるが、何だかまぁそれもまたそれ人それぞれか、と思えるというか。
これもまた、クリスマス、聖なる夜の力、なのか。

残念ながら『東京ゴッド〜』は、来年の、、、かなぁ。


F:1936
M:4220
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